KAI FACT magazine
I'm KAI,too! #04
FACT  No.04


私もKAIです。 #04

2000年に消費者からのお問い合わせに対応する窓口として設立された、貝印のお客様相談室。購入した商品の使い方といった質問はもちろん、苦情や意見など、1日に約120件ものさまざまな声が寄せられている。貝印が直接、お客様とつながる部署として担う役割は、決して質問やクレームの処理だけではない。近年は消費者から生の声を集める、マーケティング的な側面も重要と語る、室長の岩田全弘さん。
「インターネットや路上でのアンケートではだいたいの方が良いことしか言いませんが、お客様相談室に電話をかけてくる人たちは常に本音をぶつけてくる。それは非常に新鮮な意見です。だから『こういった商品はありますか?』といった問いに、取り扱いがない場合にも『ありません』とただ返答するのではなく『どのように使うのですか?』『何を見られたのですか?』とお聞きして付加情報を得るように心がけている。我々が扱っていない商品で消費者が真に求めているものは何なのか、それが後々のヒット商品につながるかもしれない。例え批判的な内容であったとしても
〝苦情〟でなく〝情報〟として捉え、活かせるようにするのが我々相談室の使命です」。
 電話をしてくるのは主に貝印に期待するファン。苦情もあるが、お褒めの言葉をいただくことも多い。今まで約3分以内が常だった通話も、最近は時間を多く取り、より具体的な情報を集められるようになった。また、その内容を素早く必要とする部署に届けられるよう、2016年5月、社内閲覧システムを公開。情報をすぐに閲覧できるだけでなく、年代別、商品別、問い合わせ内容別などで分類・分析し、商品開発の改善に活かせるようになってきた。
「今まではそれぞれの担当者が文字情報からその都度、該当する内容を拾ってデータを作成していましたが、新システムなら必要な情報をヴィジュアライズし、タイムリーに閲覧できる。将来的には商品についてつぶやかれたSNSの書き込みまでシステムで拾っていくなど、相談室に電話を掛けてこないサイレントカスタマーの意見も取り入れられればと考えています」。
  • 1 お礼にお菓子をいただいた。

    長らく使っているカミソリが最近近くのドラッグストアに売っていない、とのお問い合わせをいただいた時のこと。該当の商品が廃番になっていたため、新しい商品のサンプルを送ってご紹介しました。喜んでいただき、お礼に地元のお菓子を送っていただいて。そういう心遣いに、こちらの対応は間違っていなかったんだなとジーンと来ることがあります。
  • 1 何ヶ月も続くお問い合わせ。

    以前、毎日4時間ずつ、何ヵ月も同じ内容のお問い合わせが続いたことがありました。内容は不良品についての苦情ではなく、包丁の柄がしっくりこないという使用感のお話でした。こういった大変なお問い合わせもある反面、2〜3回のやりとりで丁寧にご説明してご理解いただけたりすることもある。そんなときは、心の癒やしになりますね。
  • 1 オペレーター指定のお電話。

    カミソリについてのお問い合わせをいただき、電話で商品をご案内して、通信販売で対応しました。それを喜んでもらって、また次の機会にも、自分を指名して電話をかけてきていただいたことがあります。商品を迷っている方に個人的な意見も交えながらオススメをして、とっても良かったと再度ご連絡いただくのは嬉しいですね。やりがいがあります。
相談室にはお問い合わせの多い商品の実物も用意されている。該当する商品をすぐ探し出し、実際にそれを見ながら受け答えをすることも多い。オペレーター自身も自社のカミソリや包丁を日々使うのはもちろん、定期的に社内で開催される勉強会で新製品にいち早く触れ、体験に基づく案内をしている。

夏原 俊三さん

岩田 全弘さん

  • Questions
    ①この仕事を始めて  ②仕事で嬉しい瞬間
    ③今後の仕事の目標  ④休みの日は何を?
    ⑤好きな芸能人は?
  • お客様相談室 室長 岩田 全弘さん

    ①約3年②苦情が最終的にお礼状に変わった時③今の部署の延長線上でどこまで仕事を広げられるか挑戦したい④自転車⑤綾瀬はるか


    お客様相談室 夏原 俊三さん

    ①約1年半②諸先輩に学んできた過去の経験が役立ったと実感する時③貝印のファンをたくさん作っていきたい④登山⑤中村吉右衛門


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