社会への影響がすぐにわかる
メーカーで仕事がしたい
大学3年になり就職を考えた時、ものづくりに関わり多くの人たちに満足感を届けたいと考え、メーカーを志望しました。メーカーなら商品の反響で自分たちの仕事が世の中にどんな影響を与えているかがダイレクトに分かる。そんな部分にも魅力を感じたのを覚えています。
ではどの業界を選ぼうか。私は華やかな世界に憧れ、化粧品業界に注目しました。不純ですが女性がたくさんいて楽しそうだなと思ったのも覚えています。
貝印はちょうど私が大学生の頃に世界初の3枚刃のカミソリを発売しました。
当時、私はコンビニエンスストアでアルバイトをしていてそのパッケージが強く印象に残っていました。
それで貝印のことも調べてみたら、雑誌のある記事で「人々の心をキレイにする」と書かれたものを見つけました。人を内面から変えていきたい。その発想に面白みを感じ、貝印へのエントリーを考えるようになりました。
私が入社してから20年で
会社の雰囲気はかなり変わった
入社後はまず国内営業部でエリアの営業担当を3年経験。その後、量販店様の営業を3年経験しました。次に商品企画部で開発の仕事を3年間担当しました。そして国内営業部に戻り営業職として5年勤めた後、一昨年から次長職を拝命し、現在に至ります。
こうやってあらためて振り返ってみると、約20年、多くの時間を営業の仕事をしてきたのだなと感じます。
私が入社した頃、貝印は現在とはだいぶ違う雰囲気でした。営業部は数字至上主義で、目の前の結果を出すことのみに必死でしたし、上司も熱い人が多く、いつもさまざまな指示が飛んでいました。それから約20年経ち、会社の仕事の進め方や社員の雰囲気はかなり変わりましたね。
どちらがいいというものではありませんが、今の会社の雰囲気は当時よりもかなりよくなっていると感じます。
お客様に貝印の製品だけを
提案するのはやめなさい
新入社員でまだ営業のイロハもわからない時、私は先輩に「どうすれば自分の数字を上げられるか」と質問したことがあります。その時言われたことは今でもはっきり覚えています。
「目標を達成したかったら、うちの製品だけを提案することはやめなさい」
最初、私は先輩の言葉の意味がわかりませんでした。私はどうすれば担当する製品が売れるかを聞いているのに、貝印の製品“だけ”を提案するなという。まったく答えになっていないと思ったのです。
でもお客様のところに何度も足を運ぶうちに、だんだんと先輩が私に伝えたことの意味がわかってきました。
私は自分の製品を売ることしか考えていませんでしたが、お客様はどうしたら“店舗の売り上げ”がアップするかを考えています。貝印は非常に多くの製品ラインナップがありますが、貝印で扱っていない製品を製造しているメーカーもたくさんあります。
営業はお客様の立場になって売り場全体のことを考えた提案をする。そうすることでお客様の店舗は売り上げが上がり、結果的にそれが貝印製品の浸透にもつながる。それに気づくことができたのです。