2009年入社

プロダクトデザイン / 部長

大塚 淳

PROFILE

大塚 淳

大塚 淳

学部
デザイン学部
学科
生産造形学科
出身地
岐阜県
趣味
現代陶芸蒐集、日本六古窯巡り
特技
楽器演奏

インタビューINTERVIEW

すべての貝印製品を手掛ける
インダストリアルデザイナー

2009年に入社した時に配属されたのは工場製品開発という部署でした。
ハサミやカッターを開発していた部署で、現在は刃物開発と呼ばれている部署です。
この部署で私は開発業務に携わりつつ、デザインを担当していました。
2011年に組織変更があって、現在のデザイン室に配属になります。
デザイン室になってからは、カミソリから医療器にいたるまで、貝印のすべての製品のインダストリアルデザインを担当しています。

現在、デザイン室には6名のデザイナーがいます。
主に、社内の企画部や開発から依頼された商品のデザインを、自分で手掛けたり、担当デザイナーを決めるなどのマネージメント業務を行なったりもしています。
依頼された商品のデザインを3~5案ほど提案して、関連部署と絞り込みとブラッシュアップを行い、商品にしていく仕事です。

バラエティ豊かな商品に
常に刺激を受ける

一口に刃物商品といってもさまざまあります。
包丁やカミソリはもちろんのこと、それに付随して家庭用品、美粧用品、医療機器など、バラエティ豊かなプロダクトが貝印にはあります。
豊富な商品のデザインを担当することは、常に新鮮な気持ちで向き合えるので、とても刺激的です。それが、貝印でデザインする事の魅力の一つといえるでしょう。

また、自分のデザインした商品を、お客様が実際に手にされているのを見るのは、デザイナーとして何よりの喜びです。

やりたいことと出来ないことの折り合いを突き詰める

商品のデザインを考える時に、新しいアイデアや機能を誰もが分かるように表現しつつ、美しいフォルムが実現できるよう心がけています。
しかし、デザインしたものすべてが、そのまま製品になるとは限りません。
製造する上でデザイン通りに再現することが難しい部分もあるからです。

デザイン上表現したいことと、技術的に製造可能なこととの間に生まれる歪みをいかに少なくするか。つまり、やりたいことと出来ないことのいちばんいい折り合いの部分を見つけるのが大切になります。
それを完璧なバランスになるまで、とことん突き詰めていっています。妥協は一切しません。貝印でグッドデザイン賞を受賞した製品はいずれも、その折り合いが絶妙なバランスでうまく落とし込まれた製品ばかりです。
そのために、いろいろな展示会などに顔を出して刺激を受けるようにしています。デザインのインプットを増やしていくことも、デザイナーの大切な仕事だと思っています。

いつか「デザインの貝印」と言われるように

貝印といえば、「切れ味のいい刃物」が企業価値の本質です。
長い歴史のなかで貝印が追求してきた刃物の切れ味は、国内外問わず、高く評価されていると思います。
刃物の切れ味という貝印の柱に、私はもう一本、「デザイン」という柱を打ち立てたいと思っています。
貝印は、2010年から毎年グッドデザイン賞を受賞しており、デザイン力の高さも徐々に認知されてきています。
いつか、「貝印といえば切れ味とデザイン」と評価されるようになるのが私の夢です。

トラディショナルなものに
触れる

最近は、競合他社やスタートアップ企業の新製品に刺激を受ける事もありますが、その一方で、甲冑であったり、陶芸作品であったりといった日本のトラディショナルなものにインスパイヤを得ることが増えてきました。
もともと歴史に興味はなかったのですが、昔から伝統的な陶芸は好きだったので、陶芸作家のところに行って話を聞いたりして休日を過ごすこともあります。
以前、KAI USAのデザイナーが三味線のクオリティを絶賛していたのですが、日本古来のプロダクトには、デザイン心を刺激するものが詰まっているように思っています。

たくさんの刺激を受けることが大切

社会に飛び込むことは、誰もが不安だと思います。
しかし、スキルや技術は入社してからでも十分身につきます。
そうしたことに不安を覚えず、いろいろな物を見るとか、いろいろな人に会うとか、海外に行くとか、目一杯遊んで欲しいと思います。
こうした経験は価値観のベースとなり、社会に入ってから必ず役に立ちます。
むしろ、こうした経験がないと自分の意見というものが言えなくなるような気さえします。

私は大学生の頃、たまたま耳鼻咽喉科のインターンに行ったことがあります。
医療機器デザインには興味がありましたが、実際の医療現場は未知の世界であり、そこで目にした手術道具にとても刺激を受けたのを覚えています。見たこともない形でしたし、何よりも美しくて、こういう世界にもデザインの領域がまだあるのだ、と衝撃を受けました。
自分の興味のある世界が、思いもよらない場所にも広がっている。だから、いろいろな物を見て、たくさん刺激を受けてほしいと思います。

SCHEDULE

スケジュール

1日のスケジュール

7:50~ 出社
8:10~ 朝礼
8:30~ メールチェック
9:00~ アイデアブレスト
10:00~ デザイン作業
12:00~ 昼食
13:00~ デザイン室ミーティング
14:00~ デザイン作業
16:00~ メンバーのデザイン進捗の確認
17:30~ 帰宅