海外スタッフとの
パイプ役を務める
大学の頃は国際大学だったので、周囲の友人や教師とのコミュニケーションは英語でした。
日本語を本格的に学んだのは入社してからになります。
入社して最初の1年は日本語の簿記の勉強と同時に、国内で行われている貝印の業務を覚えるのに必死でした。
英語を話せることもあり、入社2年目までは海外から研修生が工場見学に訪れる際に通訳としてガイド役を務めていました。この時に、社内にある工場の理解が深まり、現在所属している総務管理部の仕事にも活かされています。
現在は主に経理を担当しています。
主に支払い管理が中心ですが、内部監査として海外工場の状況確認を行なったり、ベトナムや上海工場の役員会資料を作成したりもしています。
貝印の一員として実感が
持てたインドでの仕事
貝印の工場がインドに新設された際に、立ち上げから私も携わりました。
インド工場では日本人がひとりもおらず、現地スタッフのみで構成するというコンセプトだったため、最初は通訳として、後に日本の経営スタイルを現地スタッフに浸透させるためのアドバイスをする役になっていきました。
インドと日本とでは、仕事の進め方から考え方まで、まるで違います。
例えば、日本では月次締めは一般的なものですが、インドには月ごとにレポートする習慣がありません。インドでは年に一度の決算が通例です。
インド工場での私の役割は、私が学んできた日本の商慣行に沿った経営をインド工場の従業員に理解してもらうことでした。
三ヶ月に一度のペースでインド工場に赴き、ひとつひとつ伝えていった結果、現地スタッフとの信頼関係が構築できた上、現在では日本のスタイルがインド工場に受け入れられています。
私も貝印の一員として役に立てたかな、と思えた印象深い仕事のひとつです。
ベトナムと日本での
働き方の違い
ベトナムでは、仕事の優先順位は特に気にしないものです。
作業をしていて、飽きたら別の仕事に取り掛かる、といった具合でした。
貝印に入社してから上司や先輩からまず受けたアドバイスは、仕事の優先順位をつけるということです。
それを意識するだけで、これほどスムーズに仕事が進むのか、と驚きました。
また、仕事に対する考え方も違いました。
ベトナムではマニュアルがあっても、どこかに早道はないかと探して実践し、何かミスが起こるとどこが原因なのかが分からないということがよくありますが、日本ではマニュアル通りにきっちりと行ないます。それは一見、真面目さの象徴と捉えられがちですが、実はそうすることでミスがあった場合に原因をすぐに特定しやすいというメリットがあります。
小さなことの積み重ねですが、これらは仕事を進める上で非常に勉強になりました。