大きな達成感を味わえた
初めてのプロジェクト
初めて自分一人で大きなプロジェクトを担当したのはペットボトル用のフィルムを切る超硬刃という工業用の特殊な刃の製造ラインをつくるというものでした。
入社1年目の終わりにプロジェクトが動き出し、約1年かけて完成。2年目の終わりから生産が始まり、現在でも稼働しています。
機械を買ってきてユニットをつくり、プログラムを自分でつくって加工テストを行う。一連のプロセスを一人でやることになり、正直最初は「大丈夫だろうか……」とかなり不安でした。
でも分からないことがあるといつでも上司や先輩が相談にのってくれたので、滞ることがなく業務を進めることができました。
プロジェクトも終盤に差し掛かり、製品のパッケージやパンフレットを見たときは感動しました。
それぞれの部門が集まりひとつの製品をアウトプットする。ものづくりの素晴らしさを実感しました。この感覚は一生忘れないと思います。
社内外のプロが結集し
高度なミッションをクリア
生産技術の仕事は大きなチームで動くこともあります。
私が携わったのは、新しくできた工場に既存の工場で稼働しているラインを移管するというもの。言うなれば工場の引越しです。
期間は一カ月。わずかなスケジュールで機械をばらし、運び出し、新工場で組み立てたうえであたりをつけて生産を稼働させる。間に合わなければ世界中に製品が供給できなくなるというビッグプロジェクトでした。
社員はもちろん、電気、ガス、配管などの施工業者の方々も多く入り、大きなチームとなり協力し合いながら作業を進めていく。
どこかひとつでも滞ればすべての工程に影響するので自分を含め、全関係者が本気で取り組む。まさにプロの仕事を間近で感じることができました。
動き出す前は「本当に終わるのかな……」と思ったりもしましたが、すべての作業が終わった時、これまで経験したことがない達成感を味わうことができました。
個人で動く仕事の達成感がガッツポーズだとすると、チームの達成感は全員でハイタッチをし合うような感じ。とても気持ちがいいものです。
大切なのは部門を超えた
コミュニケーション
「三現主義」という言葉があります。“現場”で“現物”を確認して“現実”を認識して問題を解決するという考え方です。
私は日々の業務で判断が必要になったとき、常にこの言葉を思い出すようにしています。
設備を使うのは現場で仕事をする人たちです。だからこそ何より彼らが使いやすいものでなくてはなりません。
さらに、現場が長い方の経験は高品質な製品をつくる上で欠かせないものです。
たとえば何らかの理由でカミソリの刃の先端に小さなキズが出たとします。ベテランの方はそのキズを見ただけで機械のどこ悪いかを見抜いてくれます。
私は現場の人たちが使いやすい設備をつくるために、なるべく多く現場の人たちとコミュニケーションを図ることを心がけています。
一方で、休日に学生時代の仲間や地元の友人と会うのも私にとっては大切な時間です。
仕事でもコミュニケーションを大切にしていますが、仲間とのコミュニケーションも加わることで、気持ちの均衡が取れている気がしています。
ものをつくる仕事だからこそ
人と向き合うことが大切に
「自分は何がしたいのか」
「自分には何が向いているのか」
就職活動を控えた学生のみなさんはいろいろなことを考えると思います。
逆に言えば就職活動期間というのは自分を見つめ直すまたとない機会になるはずです。
貝印の人たちは、部門を越えて「いい製品をつくろう」という気概を持って仕事に取り組んでいます。そして他人への思いやりを持って仕事をしている人がたくさんいます。
私たちの仕事は“ものづくり”。でもより良い製品をつくるために、人と向き合うことを大切にしています。
“もの”を使うのは“人”。だからこそ常に人のことを考えながら仕事をするのが大切なのだと思います。
「人と向き合う仕事がしたい」。
そう考えている人が貝印に入社してくれたら嬉しいですね。