12th大会情報
こぐまのケーキ屋さん第12回貝印スイーツ甲子園
第12回貝印スイーツ甲子園の書類審査にて、「こぐまのケーキ屋さん賞」を新設。
応募いただいた作品の中から、
「楽しくて、心が躍る」作品を作者のカメントツ先生が選出。
なんと!最優秀作品に選ばれた作品は、こぐまのケーキ屋さんの単行本に登場予定!
たくさんのご応募ありがとうございました!
- 審査基準
- 楽しくて、心躍るケーキ
- 参加対象
- 第12回貝印スイーツ甲子園の
応募者全員が対象になります
たくさんの作品の中から選ばれた、最優秀作品・優秀作品を発表します!
「メグミンレボリューション」チーム
長野県屋代南高等学校
作品名 「Sweet or Sour?」
「発想が自由」って言葉ありますよね。あの言葉ちょっと嫌いなんですよ。
どんな発想も本当は、自由なはずなのに、自由風の求められる自由っぽさが評価されるのってなんか自由じゃない感じするんですよね。
この作品は、そんな「自由風」から解き放たれた本当に自由な風を感じました。
おめでとうございます。
最優秀作品への賞品
「暁」チーム
学校法人糸菊学園 名古屋調理師専門学校
作品名「卵を見つけ出せ!エッグハント!」
カメントツ先生の審査評
このケーキは、漫画です。
そもそも漫画って何か…というお話をしますと「絵画情報の中に時間軸が発生しており、またそれらの連続性によって物語が発生しているもの」…というのが僕の持論です。
つまり…なにが言いたいかというと…
「穴の中に頭を突っ込んだうさぎ」や「卵から生まれたばかりのひよこ」とは、「穴の中に頭を突っ込む前のうさぎ」や「卵からうまれていないひよこ」を感じさせるのです。ケーキの中に時間軸が生まれています。漫画です。楽しいです。それ以外にも見て楽しい工夫が沢山されていました。それにすごくおいしそうです。おつかれさまでした。
「ぷてぃ・ふるーる」チーム
おかやま山陽高等学校
作品名「Enfance」
カメントツ先生の審査評
この作品を見た時、
なんだかボーッと数分写真を眺めてしまいました。
物語があるようで、ないようで、ある。
だれの頭の中にでも何通りでも台詞や物語が浮かぶ
可愛くてなんともいえない作品です。
あと作品の特徴を読んでいてよだれがこぼれました。
(担当者談:ほんとうにこぼしていました)
おつかれさまでした。
「Blue rose」チーム
北海道帯広南商業高等学校
作品名「Make a dream ~それぞれの道~」
カメントツ先生の審査評
なんでしょう。魅力的です。
夜みる夢みたいな抽象的で
あいまいでやさしい感じがします。
二つの事柄を表現したそうですが、
それらがうまくでています。
「アルディジャーノ」チーム
本郷高等学校
作品名「染井のミルクレープ」
カメントツ先生の審査評
もしも本当の独創性や見たことのなさだけでこのコンテストの優劣がきまってしまうとすればまちがいなく今作が優勝でしょう。
いちばん「こんなのみたことないよ!」というケーキです。
しかし、その基準だけで審査をしてしまうとカレーやお茶漬けがケーキのコンテストで優勝してしまう事になりかねません。いわば「ケーキである事」を保たねばならないのです。
そういう意味で、このケーキはギリギリです。一見オムレツや冷やし中華にも見えます。
ただ、その見た事なさの中に食べる人間のことや、自分たちの学校のことなどがつめこまれています。決して独りよがりではなく、丁寧なのです。大切な事を教わった気がします。
おつかれさまでした。
「Gathering of stardust」チーム
神戸第一高等学校
作品名「ハッピーフラワーケーキ」
カメントツ先生の審査評
白っぽい人が寝っ転がったり葉っぱを持ったりして好き勝手しています。
なんだかとても気持ちが良さそうです。
妖精なのでしょうか?
それともこれを「何なのか?」と定義づけようとする行為がやぼなことなのかもしれません。
ともかくなんだかほっとする見た目、そしてふふっと笑ってしまう脱力感。こういうの僕めちゃくちゃ好きだなぁ。
おつかれさまでした。
「チームD」チーム
姫路市立姫路高等学校
作品名「pink×pink」
カメントツ先生の審査評
もしもケーキが主役の絵本を作るなら
表紙は絶対このケーキにしたいな!と思うインパクトを感じました。出版がきまったらおしらせしますね。
おつかれさまでした。
「butterfly」チーム
神戸常盤女子高校
作品名「Fly」
カメントツ先生の審査評
うさぎかわいすぎませんか?
漫画の参考にしたいと思いました。ナタデココをつかっているとのこと…味も気になります。
「雄飛」チーム
北海道三笠高等学校
作品名「Cherie」
カメントツ先生の審査評
こんなにかわいい熊ちゃんが何匹もいるだなんて…
グッときてしまいました。
食感に工夫をしたとのこと。おいしそうです。
「アクアⅡ」チーム
三重県立久居農林高等学校
作品名「ゆめかわ」
カメントツ先生の審査評
イチゴを使うぞ!という一点突破な感じと
見た目の素朴さがやけにマッチして絵になっています。
おいしそうです。
優秀作品への賞品
こぐまのケーキ屋さん賞総評
僕が高校生の時ってケーキが牛乳や小麦粉やフルーツや砂糖でできている事なんて
考えたことのない年齢だったのではないでしょうか?
もしかしたら頭の隅でちょっぴりくらいは、ケーキ職人さんのことを考えたことが
あったかもわかりませんが…
それすらも「どうだったっけなぁ…」と思うくらいあやふやな記憶なので…
考えていなかったのでしょう。きっと。
おそらく高校生という年齢は、おとなとこどもの真ん中で
とても「あやふや」な時期かと思います。大人の意識をもちつつ「未成年」
なんてよばれる、ふしぎな時期です。
そんな「あやふや」であたりまえの時期に皆さんは、誰かに向けてケーキを作りました。
食べる人の事や審査員の方々のことを考えながら、チームメイトや先生たちと
頭を悩ませて、喧嘩して、時には泣いたりしたひともいたんじゃないでしょうか?
結果は、どうあれ
皆さんは、ケーキというものがどう作られているのかを勉強し、
世界は、誰かが作ったものであふれていることを知っている君達は、
きっと僕より「あやふや」でないのかもしれません。
ようは、「みんなしっかりしてて偉いね!」って事が言いたいんです。長くなりました。
僕は、ケーキのプロでは、ありません。どちらかといえばお客さんです。
しかし今回「漫画のプロ」という立場でケーキを審査してほしいとのことで引き受けました。
結果…本選では、あまり評価されないポイントで甲乙がついていたようです。
世の中のプロではない別の世界のプロが選んだ審査です。
真剣に選びました。そこだけはあやふやではありませんよ。
おつかれさまでした。
この文章を書いている漫画家より。
- 1986年生まれ。愛知県出身。2015年よりウェブメディア「オモコロ」にて漫画家としての活動をスタート。企業タイアップやインタビュー漫画などのノンフィクション作品を中心にインターネット界を暴れまわる異色の覆面漫画家。2018年春から京都精華大学の講師を務める。
- こぐまの店長と店員さんの癒やされるやりとりを描いたTwitter発の漫画。Twitterでの人気はもちろん、単行本も累計50万部を突破。この作品の持つ「温かさ」に、心奪われる人が後を絶たない。