1932年に国産初となる安全カミソリの替刃製造を開始してから、貝印の発展を支え続けてきたカミソリ製品。そこには共通して、刃物に対する貝印の原点ともいうべき想いが込められている。その想いを引き継ぎ、小屋名本社でカミソリ開発に携わるのが、橋本健吾さんと臼田雅史さんだ。
「10年近くカミソリ開発一筋でやってきました。当社の開発部は、企画から量産開始の一歩手前まで、ほぼすべてのプロセスに関わるのが特徴です。その中でも、やはりメインは設計です。今でも新しい機構を考えたり、試作したりしている時が一番ワクワクします」という橋本さん。
中途入社2年目の臼田さんは、すっかり業務に馴染んでいるように見えるが、「そんなことはないですよ。前職で開発していた暖房器具とカミソリとでは商品のスケールが違い、慣れるまでに時間がかかります。開発スパンが短い点も、最初は驚きましたね」という。「ただ、量産化を見据えた設計が重要である点など、開発の考え方は共通する部分が多いです。それに、ありがたいことに貝印に来てから自分が設計に携わった金型が、既にいくつも現場で使われていて、とても嬉しいです」。
今後、機能面で劇的な変化は少ないように思えるカミソリだが、進化の余地はあるのだろうか。「肌に使うカミソリは、ユーザーごとの個別性が強く、試作品のテストひとつとっても定量評価が難しい世界です。同じ人でも、肌の状態は時期や時間帯によって異なります。そんな変化にも応えられるカミソリができたらいいですね。将来的にIoTやAIの活用が進むかもしれません」と橋本さん。カミソリをチューニングして使う時代が、やがて訪れるかもしれない。
試作品の作成に3Dプリンタは欠かせません。イメージ通りに仕上がるまで、トライアンドエラーの繰り返しです。
新しい機構を思いつき、自主的に設計することも。黙々とPCに向かって、考えたアイデアの商品化を夢見ています。
①1年 ②設計したものが形になった時 ③満足度の高い製品の開発 ④DIY ⑤大泉洋
①9年 ②試作品がイメージ通りの動きをした時 ③色々な意味で美しい設計をする
④育児 ⑤ポルノグラフィティ
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