私もKAIです。 #15

　全国に5カ所ある貝印の国内営業拠点は、貝印製品の国内シェア拡大を目指す重要な役割を担っている。大阪支店の下、国内唯一の営業所として、お得意先との関係構築に取り組む広島営業所を訪問した。

　営業所長の森浩之さんは、広島に赴任して3年目。営業一筋で歩んできた生粋の営業マンだ。まずは営業所の概要を。「広島営業所の管轄は、岡山県を除く中国・四国地方の8県です。この広範なエリアを、私を含めた営業4名で担当しています。事務所は4年前に広島駅から徒歩10分のビルに移転しました。妖怪退治で知られる稲生神社が隣にあるので、目印にして下さいね」。
　日々の営業活動は？「主要なお得意先である卸と一緒に、ドラッグストア、スーパー、ホームセンターなどの小売店へ提案を行います。〝定番〟と呼ばれる店舗の棚割は年2回、春と秋に決まります。そこでどれだけ貝印製品を増やせるか。POSデータやトレンドを見極めながら、〝定番〟を増やすためのソリューションを考えます。この時に貝印の商品力や品揃えが活きるんです。私が入社した時から、貝印は他にはないオンリーワンの会社でした。これだけ多彩な商品を提供する総合刃物メーカーは、他にないでしょう？数字に裏打ちされた総合的な提案ができるのが、私たちの強みです」。

　これまでの営業経験で記憶に残る出来事を聞くと、「嬉しかったことよりも、うまくいかず悔しかったことばかり思い出す。やはり営業にとって鍵となるのは、人と人の関係。お得意先から人として信頼されること。テクノロジーが進歩しても、Face to Faceの重要性は変わらない」と真剣な眼差しで答えてくれた。地域に根を張る少数精鋭チームの今後の活躍が楽しみだ。