KAI FACT magazine
上海を世界に発信する、クリエイティブな発想力
FACT  No.04

上海を世界に発信する、
クリエイティブな発想力

スウェーデンのストックホルムに本社を構え、NY、東京、上海に拠点を持つクリエイティブエージェンシー〈グレートワークス〉。
設立9年目を迎えた上海オフィスには、映像や紙媒体、ウェブ、イベントなど、
メディアの枠にとらわれない自由な発想力があった。
下町情緒溢れる街並みを抜けたエリアに〈グレートワークス〉はある。
2階まで吹き抜け構造の開放的なオフィスには代表のナナさん(写真上左)と営業担当の志麻さん(右)を始め14名の若いスタッフが働き、看板猫のKuniiも。
階段には、2012年に製作し話題となったアサヒビールのポスターが。

“個”の力が結束した
新しい上海での可能性。

 ファッションや音楽、雑誌やアートシーンに上海のクリエイターたちが築いた土台があるように、広告・マーケティングの世界にも〝新しい上海〟を担うクリエイティブエージェンシーが多く存在する。中でも〈グレートワークス〉は他とは一線を画す、いま勢いのある企業の一つだ。本社はスウェーデンのストックホルム。NYと東京に支社を構え、上海オフィスは2007年6月に設立された。クライアントにはアジア最大のEC(電子商取引)企業アリババや、日本のアサヒビール、東芝などの大企業が名を連ね、ポスターやムービーをはじめイベントやキャンペーンサイトの構築まで、依頼主からのオーダーを受けてアウトプットを提案する。ただ、外部のクリエイターに発注して舵を取るプロデューサー集団ではなく、営業からクリエイティブまでほとんどのプロジェクトにおいて、30歳前後の若いスタッフで行っているというから驚く。「イラストやムービー、ウェブデザインなどができる〝個〟の才能が結集したチームというのが私たちの強み」と話すのは代表のナナさん。取材日には〈上海貝印貿易〉で総経理を務める河合豊さんとの打ち合わせが行われていた。2011年から〈グレートワークス〉とタッグを組むようになった決定打とは?河合さんに聞いた。
 「中国はスマフォ社会なので鍵を握るのはEコマース。ただ、商品を売るだけでなく〈貝印〉の根幹にある〝モノづくり〟も訴求したい。となると、ネットでの柔軟な発想と速い対応に加え、質の高いブランディングもできるアイデアマンが必要だったんです」。
 昨年、〈グレートワークス〉は上海新世界大丸百貨内にて〈貝印〉の実店舗をディレクションし、今年はWeChatなどSNS上でのPRを強化。「企業にとってベストな道を作るのが使命」。そう口を揃える彼らの仕事は、まさに〝グレートワークス〟なのだ。
写真右/昨年、南京東路にオープンしたデパート、上海新世界大丸百貨に作った〈貝印〉のショップ。世界的に見ても規模の大きいこの店舗では、シックな黒のファサードで高級感を演出。「家庭的な温かみも出したかった」とナナさんは木のカウンターを提案した。写真左/今年、グレートワークスがリニューアルを手がけた〈貝印〉の中国版公式サイト。
http://www.kai-china.com
上海オフィスは全体が見渡せる開放的なつくりで、光が気持ちよく差し込む。
中央にはテーブルサッカーも設置され、打ち合わせに来ていた〈上海貝印貿易〉の
河合豊さんがスタッフと団欒していた。

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