今日は、小屋名新工場の竣工式。立派な工場を建てていただいた関係者のみなさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。ちょうど50年前、旧第3工場ができた時にも、僕はテープカットに参加しているんですよ。当時、まだ12歳でしたが…。たくさんの思い出が詰まったこの地で、こうして母と息子とともにハレの日を迎えられたことは本当に嬉しいです。亡き父も喜んでいることでしょう。
これまで海外展開に注力してきましたが、国内工場の建て替えは実に20年ぶりで、これが一連の工場再編の第一歩となります。今年は社長に就任して30年目、貝印は創業110周年という節目の年。新しい工場は、環境にも社会にも社員にも「やさしい工場」であるとともに、医療器やカミソリの刃のマザー工場として「生産に対するルネッサンス」につながって欲しいと願っています。外観は白を基調としたシンプルなデザインで、貝印らしい清潔感やさわやかさの表現にこだわりました。少し話はそれますが、僕は「さわやかさ」という言葉が、とても好きなんです。情熱的な想いを心に秘めながら、見かけはクールに柔軟に振る舞う、そんなしなやかな生き方を目指したいものですね。
さて、そろそろ式典に向かう時間です。刃物は「運を切り開く」もの。誠実に、颯爽と、新しいステージの幕開けを迎えましょう。
小屋名新工場の竣工式にて。先代社長の妻であり、遠藤社長の母である遠藤久子監査役、息子の遠藤浩彰常務取締役とともに。オフィシャルな場で三世代が揃っためずらしい一枚。
KAIグループ代表取締役 兼 CEO
遠藤宏治
えんどう・こうじ/KAIグループ三代目社長。1955年岐阜県関市生まれ。1989年に父の後を継いで社長に就任。趣味は読書、ゴルフ。
* 2021年5月 代表取締役会長 兼 CEOに就任