ほかの大都市の支店と比べても、貝印大阪支店が取引する企業の数は多い。近畿には、小さな小売り店が多く残っているからだ。商談する相手の数が多く、それだけ会話が発生する。しかもそれは画一的ではない。だからかもしれないが、商売におけるコミュニケーションが大切になる。東京本社や名古屋支店にも赴任していた経験のある清水義久支店長は、その特異性を語る。
「たとえば東京では、アポイントを取って提案書を持参しますが、大阪だとまず先方に会うまでに苦労します。会えたとしても、最初は提案書なんて見てくれない。それ以前に人間関係を構築していないと商談も進みません」
近畿でも店舗に並ぶ商品や売れ筋商品などは、それほどほかの地域と変わらないらしい。それでも“商いの流儀”はまったく異なるようだ。
「日頃から営業スタッフには時間がある限り店舗を見に行ったほうがいいと言っています。市場調査という意味だけでなく、バイヤーさんは小売り店の現状を知りたがっているからです。それを頭に入れておくことで、コミュニケーションが円滑になり、信頼を得ることもできます」
入り込むのに一癖も二癖もある近畿の人たち。しかし一度仲よくなれば、それこそアポなしでも会ってくれたり、無理を聞いてくれたりする。人情が息づく商いが今でも強く残っている土地なのだ。
清水義久さん/貝印大阪支店店長。大阪府寝屋川市生まれ。貝印入社後、東京本社で家庭用品の営業となり大手量販店を担当する。その後、名古屋、岐阜などに赴任し、3年半前に大阪支店店長に就任。
大阪オフィスでそれぞれの営業チームを統括している古川和哉さん、山田章治さん、内田功さんのチーフマネージャー(CM)3人による情報交換兼雑談。こうした普段のなにげないコミュニケーションから次のアイデアが生まれることがある。
「近畿の2府4県は、すべて習慣、ならわし、文化、性格が異なります。石の上にも3年というけど、関西は5年は必要ですね。特に“会って話して”という人間関係が一番重要で、“足で稼ぐ”という営業スタイルが関西には根強く残っています。会話のなかでも『ええで』という言葉尻だけを信用したら大変なことになります。人間関係が築けていないときの『ええで』は、必ずしも『やる』という意味ではありませんから。かなり手強いですね。でも人と話すのは楽しいな」
横山隆さん/参与。貝印入社後、名古屋支店のサンカット事業部で園芸用品などを取り扱っていた。足で営業するという信念は、名古屋時代に培ったものだという。名古屋、大阪、東京、福岡に赴任するなど、各地での経験も豊富。大阪支店長を経て、現在は参与に就任。
貝印大阪支店でタコパ開催! 本場のたこ焼きテクニックを存分に発揮してもらった。
使う道具はもちろん貝印〈まいど本舗〉だ。ん〜ンマイ!
1.まずは鉄板に油を薄く引く。〈まいど本舗〉の「たこつぼ受け皿つき油引き」は油が垂れにくいので便利。2.たこを包丁で一口大に切る。3.生地を混ぜて注げる「粉つぎボールセット」は、なんとたこ焼き40個分の生地がつくれる。4.タコやネギ、紅生姜などお好みの具材をイン! 5.焼けてきたたこ焼きから「まとめやすいダイヤ型ピック」で返していく。ここが腕の見せどころ! 6.焼けたらお皿にとってソースとマヨネーズをかける。「おこのみディスペンサーセット」は細く出せるので便利。
〈まいど本舗〉を使ってラクチンにできた。完成したたこ焼きをハフハフしながら食べる!タコパは、大阪のコミュニケーションの原点なのだ。