ABOUT 貝印のツメキリ
100年間という年月は、人々の考え方やライフスタイル、環境を大きく変えるに十分な時間です。しかし、その間、貝印は愚直に刃物製品を作り続けてきました。
もともと一本のポケットナイフから始まった貝印。
取り扱う製品が広がりを見せるなか、常に「切れる刃物」を追い求めたのです。
そんな貝印がお届けするツメキリは、「爪が切れる」だけではない特別な思いが込められています。
貝印のツメキリ製品の細部に宿る、「野鍛冶の精神」
刃物の町・関市に誕生した貝印は、創業以来、刃物にずっとこだわり続けてきました。その歴史は100年以上にわたり、その間、多くの刃物製品を世に送り出しています。
ポケットナイフに始まり、カミソリ、包丁、ハサミ、医療用メスなど、ただ切れるだけではなく安全にこだわり、技術の研鑽を重ねてきたのです。
そんな貝印の企業メッセージは、
「さわやかな あじわいのある日々を お客さまとともに・・・KAIの願い」
というものです。
ビューティーを始めとする身だしなみ用品で人々にさわやかな気分を感じていただきたい。
キッチンや製菓用品などであじわいのある日々を送っていただきたい。
そんな願いが込められたメッセージです。
刃物の技術を突き詰めてきた「野鍛冶の精神」をもとに、貝印では日常生活に身近なツメキリにおいても、あらゆる技術と経験をつぎ込んできました。
その切れ味と使いやすさを、ぜひ味わってみてください。
ツメキリの切れ味を左右する「かぶり」の微調整は職人の手で。
ツメキリは上刃と下刃が噛み合って爪を切るという構造です。
しかし、よく見ると上刃と下刃とが若干ズレているのが分かります。
その理由は、常に上刃と下刃がぶつかり合う構造にすると刃が傷み、耐久性が落ちてしまうからです。
さらに、他社製に比べて貝印のツメキリはかぶりを少しだけ広くとってあります。爪を切った際の「二段打ち」と呼ばれる現象を防ぐためです。
「二段打ち」とは、爪を切った瞬間に上刃が下刃より前に出て、「カチカチ」と2回音がすることです。
「二段打ち」は爪の切断面が荒れてしまいやすく、それは貝印の「野鍛冶の精神」に反した仕上がりです。
そのため、貝印ではかぶりに細心の注意を払い、今でも職人の手で微調整を行なっています。かぶりは、機械ではとてもなし得ないほど繊細な調整なのです。
切れ味の良い刃物が人の生活を豊かに、安全にすると信じて。
かつて人を傷つける道具でもあった刃物。
時代が流れ、改良が施され続けた結果、野菜を切ったり、ヒゲを剃ったりと、人々の生活をより便利にする一方、刃物が「切れる」ということは今でも一歩間違えれば人を傷つける道具になりかねません。
刃物の切れ味は向上させたい。
しかし、人を傷つけないようにしたい。
貝印は、この一見矛盾したテーマを追求してきました。
切れ味と安全性が同居した製品は、人々の生活をより豊かにすると信じているからです。
貝印のツメキリの改良の歴史は、そんな思いの積み重ねです。
1994年にはメッキによる環境汚染に配慮し、金属テコからプラスティックテコに変更しました。
2000年には刃体を鉄からステンレスに変更したことで、環境汚染への配慮だけでなく、切れ味の向上を果たしました。
2007年には製造工程に電解研磨を取り入れることで、さらなる切れ味の向上を実現させました。
常に研究・開発を繰り返してきた貝印のツメキリは、現在、業界ナンバーワンの売上を誇っています。
ルーペ付きや握りやすいグリップなど、あらゆる方が便利に使える道具を世の中へ。
刃物の大手メーカーとして、さまざまな刃物製品を世に送り出してきた貝印。
ツメキリにおいても業界のリーディングカンパニーと自負しています。
そのため、オーソドックスな製品のみならず、個々のお客さまの生活スタイルに合わせた積極的なものづくりは、メーカーとしての使命と考えています。
視力が落ちてきたり、腰を曲げるのがつらかったり、あるいはおなかの大きくなった妊婦さんなど、さまざまなお客さまにこだわりある製品を届けたい。
そんな思いを凝縮させたのが、手元を明るく見やすいものにしたLEDルーペ付きツメキリや、グリップを握りやすく滑りにくい仕上げにしたツメキリなどです。
刃物は人々の生活をより豊かにする道具。
それをひとりでも多くの人に味わっていただきたいという貝印の思いを込めた製品です。