― 開発ストーリー ―
辻口氏の貝印への想い
スイーツ甲子園の主催や、新しい道具の開発など、貝印さんの我々パティシエ業界への取り組みは大変素晴らしいものがあります。だからこそ僕が考案した「ワイルドカカオ ショコラセパレーター」の商品化に向けて、一緒に取り組んでいただけたのだと思います。
これからも貝印さんとともに、このショコラセパレーターを皆さんにご紹介していけたらと思います。
近年のショコラブームにより、日本国内にもショコラ専門店が増えています。それらのショップの多くで、特に人気商品に位置づけられるのは、「ボンボン・ショコラ」と呼ばれる一口サイズのチョコレートです。センター部分にガナッシュやプラリネなどの複数の組み合わせからなるものが多く、表面の繊細なカバーチョコレートとセンターの複雑な構造が織りなす味わいは、世界中のチョコレート愛好家を魅了しています。
ソムリエナイフの出現により、ワイン文化が世の中に浸透していったように、ボンボン・ショコラをより多くの方に楽しんでいただくためには、ショコラにもサーブしたり味わったりするための専用の道具の開発が必要だと感じていました。
僕はこの「ワイルドカカオ ショコラセパレーター」を通して、ボンボン・ショコラを嗜む文化が発展し、さらにボンボン・ショコラを高みに昇華させていくことを心から願っています。
辻口氏が提案するのは、五感で楽しむボンボン・ショコラの味わい方です。カットすることで、ひと口大のショコラの断面が数ミリ単位の断層になっている美しさとその断層から生まれる味の深みを目で楽しむ視覚、カットするときの切れ味やその音から感じる触覚や聴覚、芳醇なカカオの香りで美味しさを演出する嗅覚、食感の違いや異なる面のショコラが口の中で混ざり合うハーモニーを楽しむ味覚などが刺激されます。
スイーツ甲子園の主催や、新しい道具の開発など、貝印さんの我々パティシエ業界への取り組みは大変素晴らしいものがあります。だからこそ僕が考案した「ワイルドカカオ ショコラセパレーター」の商品化に向けて、一緒に取り組んでいただけたのだと思います。
これからも貝印さんとともに、このショコラセパレーターを皆さんにご紹介していけたらと思います。
ボンボン・ショコラは表面と中のガナッシュのかたさが異なるため、最初の切れ込み時に表面を崩すことなくカットできることと、中のガナッシュ部分も美しくカットすることを両立できる刃付けが必要となります。創業100年をこえる刃物メーカーである貝印の複合的な技術により、ボンボン・ショコラのカットに適した刃付けを実現いたしました。
また、より美しい断面でショコラをカットできるよう、真上からカットする機構を採用しました。
ショコラ人気の高まりに伴い、ショコラを食べる機会や場所も多様化しています。
ご自宅だけでなく、カフェやギャザリングパーティのお持たせなどでも、辻口氏が提案するボンボン・ショコラの味わい方ができるよう、持ち運びにも適した形状といたしました。
女性の手にもちょうどよいサイズで、カカオをかたどった形状は、手馴染みがよく表面の凹凸により滑りづらい仕様です。また、横からスライドして引き出すタイプにすることで、持ち運びやすいコンパクトサイズとなりました。
さらに、ボンボン・ショコラだけではなく、タブレットショコラ(板状のチョコレート)のカットにも適しています。
刃には、1㎜単位のメモリがついており、ひと口大サイズのボンボン・ショコラが数ミリ単位で複雑な構造になっていることを実感できます。このミリ単位の違いで、口の中に入れたハーモニーが変わることを実感できるため、ショコラの新しい味わい方が可能となります。
オーナーパティシエ、ショコラティエとして、モンサンクレール(東京・自由が丘)をはじめ、コンセプトの異なる13ブランドを展開。2014年には初の海外店舗「モンサンクレール ソウル」をオープン。
クープ・ド・モンドなどの洋菓子の世界大会に日本代表として出場し、数々の優勝経験を持つ。サロン・デュ・ショコラ・パリで発表されるショコラ品評会においては、 2013年~2017年の5年連続で最高評価を獲得。さらに2015年、国際的なチョコレートの大会「インターナショナルチョコレートアワード世界大会」のチョコレートバー部門で金賞を受賞。
素材にこだわり、スイーツで地域振興を行うほか、砂糖不使用のチョコレートなど健康に配慮した“ロカボスイーツ”の開発に取り組む。また、企業とのコラボレーションやプロデュース、講演や著書出版など積極的に活動。
後進育成のための「スーパースイーツ製菓専門学校」「スーパースイーツ調理専門学校」(石川県)の校長を務める。
また、スイーツを日本の文化にすべく、一般社団法人日本スイーツ協会を設立し、「スイーツコンシェルジュ検定」を実施する他、お菓子作りを通して人を育てる「スイーツ育」を提唱する。
2015年にはNHK朝の連続テレビ小説「まれ」で製菓指導を務める。
石川県観光大使/三重県観光大使/金沢大学非常勤講師/産業能率大学客員教授
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