包丁を知る貝印の包丁

海外での事業展開も加速する貝印。
そのものづくりの源は、「野鍛冶の精神」にありました。
受け継がれる「野鍛冶の精神」。
受け継がれる「野鍛冶の精神」。
刀づくりに欠かせない松炭、水、土に恵まれ、さまざまな刀匠が技を競った関の刃物。その長い歴史の中で、関の刃物は「折れず、曲がらず、よく切れる」と評価を得てきました。使う人の用途や癖までを理解し、ものづくりに活かす「野鍛冶の精神」が関の刃物ならではの特長となっています。貝印は、そうした信頼を集めるものづくりや、お客さまの求めに柔軟に対応する姿勢を受け継ぐことで、いまもなお成長を遂げているのです。
進化を続けるKAI製品。
進化を続けるKAI製品。
製品ごとに異なる微妙な刃付けや、どんなに複雑な形状も精緻に仕上げる金属加工技術は、貝印の最も重要なコア技術です。この技術力を最大限に活かすため、製造設備の開発、製造も自社で行っています。また、製品の使われ方を分析して設計に活かしているのも特色の1つ。さらに、私たちは商品開発に「デザイン性に優れ(Design)、独自性があり(Unique)、特許に値し(Patent)、安全(Safety)&物語性(Story)」の意味を持つ 「DUPS」という考え方を取り入れています。DUPSに即したものづくりを確かな製造技術で具現化し、誰もがひと目で貝印と感じるKAI製品をお届けします。
1908年の創業以来、包丁づくりを中心に発展を続けてきた貝印。
その貝印を支える、4つの技術を紹介します。
ダマスカス
ダマスカス
波紋のような、あるいは木目のような美しいダマスカス模様の多層鋼。「ダマスカス」に明確な定義はありませんが、成分が異なる鋼材を交互に重ね合わせて鍛造した鋼材を一般的に表現しています。この多層鋼を用いた貝印の「関孫六」ダマスカスシリーズの模様技術は、日本刀の美しく・鋭い切れ味を思わせる波紋を彷彿とさせ、海外市場におけるダマスカス包丁のパイオニアとして高く評価されています。
コンポジット
コンポジット
コンポジットとは、複数の鋼材を接合させる特殊精密接合技術のことです。耐食性、耐摩耗性、高靭性、耐久性と多面的な強さを備えている上に、精密性も非常に高く、航空機部品などの接合にも使用されている技術です。
コンポジット2
手作業へのこだわり
手作業へのこだわり
貝印の包丁は、大量生産でありながら「手作り」にこだわった包丁です。刃体とハンドル、ハンドルと尻金などの組み立てが、ひとつひとつ手作業によって行われています。特に、栗型をしているハンドルと尻金の組み立ては、ほんのわずかなズレも許されません。完全に一致する状態になるまで、何度もマッチングが繰り返されます。また、それぞれの用途に合わせた理想的な切れ味を実現するのが、最終的な仕上げ段階で行われる刃付け※。砥石を回転させて、水をかけながら手作業で刃先を研磨する湿式刃付けのあと、リング式にセットされた牛皮の断面で研磨する皮研を重ねることで、より繊細で鋭い刃先ができあがります。どちらも、熟練した技術者が刃先の状態を細かくチェックしながら、完璧に仕上げていきます。
※ 一部、ロボットによる刃付けのシリーズもあります。
熱処理の技術
熱処理の技術
包丁の本質的な素養の1つである「硬さ」を決めるのが、熱処理の工程です。貝印が主に使用しているのは、電気炉の一種である連続式自動無酸化電気炉。使用表面の酸化が起きず、包丁の硬さに対しての重要な要素である炭素が抜け落ちないため、鋼材の表面を美しく保つことができます。また、24時間稼働しているため温度や時間の管理が正確で、ばらつきのない均一な熱処理を行っています。
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