- INTERVIEW -
“身だしなみを整える時間”をより豊かで、より心地良いものへと導くべく誕生したグルーミングツールブランド“AUGER”。コミュニケーションパートナーであるプロeスポーツチーム“忍ism Gaming”のインタビュー企画。
最終回となる今回は、忍ismを立ち上げたももち選手、チョコブランカ選手に加えて、これまでのインタビューに登場したtakera選手、ほのか選手、ヤマグチ選手を招いて色々なお話を伺った。
ももち選手(文中はももち)
忍ismの代表取締役で、『ストリートファイター』シリーズのプロ選手として活動。これまでに国内、海外の大会で結果を残し続けてきたトッププレイヤー。
チョコブランカ選手(文中はチョコブランカ)
日本人女性として初めてのプロチームと契約を結んだeスポーツプレイヤー。ももち選手とは夫婦の間柄で、忍ismの取締役としてチームの運営・大会の企画などを行っている。
takera選手(文中はtakera)
“忍ism Gaming”所属の『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの選手。プロ選手として大会に出場するだけでなく、自宅にプレイヤーを招いて対戦を行う”宅オフ”、大会の主催なども行う。配信活動にも力を注いでおり、日々、さまざまなゲームの配信を行っている。
ほのか選手(文中はほのか)
“忍ism Gaming”に小学5年生、11歳の時に加入。育成選手として、『スプラトゥーン』シリーズの作品を中心に、大会出場、配信活動などを行う。受験シーズンを経て、今年の4月から高校生に。普段の活動以外にも、テレビやWeb番組など、さまざまなメディアに出演している。
ヤマグチ選手(文中はヤマグチ)
2016年に始動した忍ism主催の“若手選手育成プロジェクト”で、当時14歳という若さで育成選手に。2018年には忍ism運営のプロゲーミングチーム“Fudoh(不動)”(現在の忍ism Gaming)でプロ選手としての活動を開始。“ストリートファイターリーグ”の2022年シーズンでは、忍ism Gamingのメンバーの一人として活躍を見せる。
まずは忍ismを立ち上げられた経緯を教えてください。
ももち 僕とチョコブランカはプロ選手として長く活動してきて、自分たちのいる業界の将来を考えることはすごく大事だなと感じていました。例えば、格闘ゲーム界隈ではプレイヤーの高齢化が進んでいく中で、次の若い世代が出てこないと盛り上がりが先細りになって、結果的に自分たちも苦しくなる。それを10年ぐらい前からずっと感じていたんです。
もともと僕は人に教えるのが好きで、チョコブランカは大会の運営を通してイベント事業や後進の育成で業界を盛り上げたいなと思っていました。さらに、大会を開催するにあたって他のメーカーとやり取りをすることが増えるので、「法人化したほうがやり取りしやすいよね」ということで忍ismを立ち上げました。忍ismを立ち上げた直後に若手選手育成プロジェクトを始めたのは、そういった経緯があったからですね。
忍ismは若手の育成にも注力されていますよね。これまでどのような方針でチーム活動を行ってきたのでしょうか?
ももち 選手によってプレイしているタイトルも異なるので、手取り足取りゲームの技術を教えるというよりは、プロ選手としての姿勢を学んでもらう感じですね。直接指導することはあまりありませんが、「プロとして活躍するにはどうしたらいいか」、「ここは気を付けたほうがいい」ということを自分で考えて、ファンの方々から応援してもらえる選手になってもらいたいなと。
そういった育成方針があったんですね。
ももち 最初に育成選手として入ってきたのがヤマグチとジョニィ、卒業して別チームに移籍したひぐちの3人でした。ちょうど『ストリートファイターV』がリリースされたぐらいのタイミングですね。彼らは僕と同じ『ストリートファイター』の選手だったので、技術的なことも教えていきました。あとは配信に出演して人前で話してもらったり、ラスベガスで開催された世界大会“EVO”に連れて行って世界大会を経験してもらったり、色々なことをやっていましたね。
最初は活動タイトルが格闘ゲーム中心だったと思いますが、活動タイトルの枠を広げていった理由をお聞かせください。
ももち 当時のeスポーツチームはひとつのタイトルで活動しているチームは多くなかったんです。僕もチョコブランカも海外のプロチームに所属していて、そのチームも格闘ゲーム以外にもFPSやMOBAのタイトルでも活動していて、それが主流でした。そういった流れから、自然と活動タイトルを増やしていった感じですね。
あとは、『大乱闘スマッシュブラザーズ』や『スプラトゥーン』などは小学生や中学生のプレイヤーも多いと思いますが、そういった若い世代の方々に格闘ゲームに興味を持ってもらったり、逆に格闘ゲーム好きの人に別のタイトルに触れてもらったりという広がりが期待できるかなと思ったんです。その点も色々と統合して手広くやってみようと、徐々に活動タイトルの枠を広げていきました。
選手によって活動タイトルはさまざまですが、共通して伝えている意識のようなものはありますか?
ももち 応援される・憧れられる・愛される選手になってほしいというのはことあるごとに伝えています。技術的なことを教えるというよりは、身だしなみ、SNSの発信、配信での言動など、ファンから「応援したい」と思ってもらえる選手になれるように気をつけるポイントを教えていますね。あとは結果を残すこと。そのトータルが憧れられる選手に繋がっていくと思います。
応援される選手になるために意識していることはありますか?
ヤマグチ 自分は、ももちさんやウメハラさんに憧れてゲームを続けてきたので、それを見習ってとにかくいいプレイをすることを意識しています。
ももち ヤマグチはプレイで見せるタイプだよね。個人配信もしていないから、発信の場が大会とその結果だけ。
ヤマグチ 今はももちさんもウメハラさんも配信されていますが、昔はお二人ともプレイだけで人から認められるような選手でしたよね。それを見て育ってきたので、自分もそのような選手になれたらなと思っています。
チョコブランカ 逆にほのかちゃんは個人配信をがんばっているよね。
ほのか そうですね。『スプラトゥーン』を配信している方の多くは、いっしょに大会に出たり、対抗戦をしたりといった人が多いんですけど、私は自分を見てもらえるように個人配信を多くするようにしています。
ももち ほのかちゃんは忍ismにいるだけで愛される存在。
チョコブランカ ご両親も応援してくださっていて、私やももちもご両親とお話しながら活動をしているので安心して見ていられますね。
takera 若い人は言葉が荒くなってしまうことも多いと思うんですけど、ほのかちゃんはそれがない。ハキハキときれいな言葉でしゃべるんですよね。
チョコブランカ takeraも言葉使いには気をつけているよね。他に意識していることはある?
takera 自分たちの界隈でプロ選手が出てくる前からももちさんやチョコブランカさんたちがプロとして格闘ゲーム界隈を最前線で走っていて、発信の仕方や界隈に貢献する姿勢などはすごく影響されています。その背中を追って自分も最前線を走っていきたいなという思いはありますね。
ももち takeraも愛されキャラだよね。全員に共通して言えるのは、とにかく真面目。人を傷つける、人が嫌がることはしない選手なので、ファンも安心して応援できるかなと。
takera 忍ismはそういう方が多いですよね。
ももち 選手たちも忍ismの方針を分かってくれているのかな。もちろん、そういう人だからいっしょにやろうと声をかけている部分はありますが。
忍ismの他のタイトルで活動している選手を見て刺激を受けることはありますか?
takera それこそ、ももちさんはイベントや大会の運営もやりながらずっと最前線で活躍しているプレイヤーなので、本当にすごいなと思います。自分も長いこと競技シーンでやらせていただいていますが、どうしてもぶれちゃうときがあるんですよ。そういった中で、いつもトッププレイヤーとして活躍しているのは尊敬しかないですね。
ももち うーん(照)。
takeara 競技で勝つことの難しさを知っているから、勝って結果を残している方々はすごいなと思います。ヤマグチさんも最近は自分たちの界隈でもよく名前が挙がっていますし、育成選手からそこまで活躍できているのはすごいなと思いますね。
ももち タイトルが違ってもすごさはわかるよね。大きい大会で結果を残していたりすると、そこで刺激をもらって「自分もがんばらなきゃいけないな」と思いますし。
チョコブランカ 「がんばれー!」と親になったような気持ちで大会を見ていますね(笑)。
takera 全力で取り組んでいる姿を見ると胸が熱くなりますね。真剣な表情もいいし、負けて悔しそうな顔もいい。この前、大会の配信でももちさんがガッツポーズをしているのを見て泣きそうになったんですよ。ももちさんがガッツポーズするのって珍しいですよね?
ももち そうだね。2014年ぶりかな。
takera かみしめる感じのガッツポーズで、見ていて気持ちが昂りましたね。そういう姿を見ると「次の日からがんばろう」という気持ちになるので、いい刺激をもらっていますよ。
運営されるお二人が選手から受ける刺激はありますか?
ももち ありますね。自分はイベントや大会の運営もしていますが、一選手なので、彼らと同じように他の選手の活躍を見て刺激を受けています。takeraも結果を残しづらいキャラクターを使っている中で安定して勝っていて、普段から練習していることを出せているなと感じます。そういう姿を見ると「自分も負けられないな」と思いますね。
takera なんか恥ずかしいですね(笑)。
ももち 今日は褒め合う会だね(笑)。
チョコブランカ 選手が活躍するとうれしいので、仕事のモチベーションも上がりますね。思いを理解してくれて、それをいっしょに達成しようとしてくれる仲間たちみたいな存在なので、選手ががんばっている姿を見るとすごく刺激を受けます。
ももち ファンみたいな感覚だよね。ファンの方々も、応援している選手が大会で活躍すると「仕事をがんばるぞ」という気持ちになると思うんですけど、それのイメージに近いですね。
ヤマグチ 大会もいいですけど、配信イベントも普段見られない顔が見られたりして、すごくおもしろいですよね。
ももち 定期配信は大事だね。ヤマグチのように大会の結果で魅せることもすごくいいことだけど、配信イベントで「普段はこういう人なんだ」とファンに知ってもらえると応援しやすくなる。
takera 配信イベントは普段関わらない別の界隈の方々と絡めるのがおもしろいですね。別のタイトルで活動しているけど、同じ競技者同士で話して、それを視聴者の方々が見て反応してもらえるのはいいことだなと思います。
ヤマグチ 配信に出演することは選手活動の一環ではありますが、遊んでいるという感覚も強くて、和気あいあいとやらせていただいて楽しいですね。
皆さんから見たそれぞれの選手の印象を教えてください。
takera ほのかちゃんはほのかちゃんですね。最近はとくに配信が上手くなったなと感じます。
ももち ほのかちゃんは成長したよね。
チョコブランカ 入った当初は小学生だったからね。
takera あー、確かにそれは成長するか……。実は、ちょくちょく配信を見にいっているんですよ(笑)。
ももち 逆に、ほのかちゃんから見てtakeraはどういう印象?
ほのか takeraさんはちょっと怖いですね……(笑)。
takera ええ、本当に!?
ほのか 筋肉が好きというイメージが強くて(笑)。でも、実際に話すとすごく優しいんです!
ももち ははは、takeraは確かに体格ががっちりしているから、見た目だけだとちょっと怖い印象があるのかもね(笑)。
ほのか ヤマグチさんは身長が高いですよね。物腰が柔らかですごくお話しやすいなと。
takera ヤマグチさんとほのかちゃんはいっしょに番組に出演したことはないんですか?
ヤマグチ なかったと思います。宣材写真を撮影するときにすれ違ったときにちょっとお話したんですけど、「勉強とゲームがんばってね」と言った記憶がありますね(笑)。
takera いいお兄ちゃんだ。
ももち 大学に通いながら選手をやっているヤマグチが言うと説得力があるよね(笑)。
ほのか ヤマグチさんは育成選手からのスタートだとお聞きしましたけど、ももちさんとは何年の付き合いになるんですか?
ヤマグチ 7年ですね。本当に長いです。
ももち ヤマグチ、ジョニィ、ひぐちの3人は忍ismを立ち上げてすぐの選手なので、すごく印象に残っているね。当時は自分も(運営する側として)新米で、彼らといっしょに成長させてもらったなぁ。
takera 何か印象に残っているエピソードあります?
ももち いっしょにご飯に行ったときに、3人の性格の差が出てておもしろかった。ヤマグチは絶対にその店の一番安いもの、ひぐちは一番高いもの、ジョニィはその場の空気を見ながら中間ぐらいのものを頼むんだよ。それが、高校生、大学生と成長していく中で、ヤマグチはちょっとずつ高いもの、ひぐちは安いものも頼むようになったりして、成長を感じるなぁって(笑)。
チョコブランカ 3人とも同じぐらいの年齢だけど、全然性格が違っておもしろいよね。
takera もう7年の付き合いもあるってことは、ヤマグチさんにとってももちさんはお兄ちゃんみたいな存在ですか?
ももち いや、お兄ちゃんというよりはお父さんみたいな感じだと思う(笑)。
忍ismのメンバーで集まることも多いんですか?
チョコブランカ いえ、2年前の年末に全員で集まれたくらいで、普段はスケジュールの都合上なかなか会えないですね。
ももち 自分が同じようなところに入れられると、知り合いや同じゲームのプレイヤーとしか話さないと思うんですけど、違うタイトルの選手同士でちゃんとコミュニケーションを取っていて感心しましたね。みんなしっかりしているなぁと。
ヤマグチ 活動タイトルが違えど同じゲーマーなので、色々な考えを持って真剣にゲームに取り組んでいるんだなと、ふとしたときに感じますね。Red Bull 5Gの大会に出場したときは、『ぷよぷよ』で活動されているdeltaさんもいっしょに出ていて、試合内容はあまりわからなかったんですけど、がんばっている姿がすごくかっこよくて。すごく刺激を受けましたね。
チームのユニフォームはすごく特別なものだと思います。ユニフォームをもらったときや、それを着て試合に出たときの感想をお聞かせください。
takera 最初にユニフォームをもらったときはじっくり眺めていましたね。
チョコブランカ takeraはやりそう(笑)。
takera そのユニフォームを着て初めて大会に出場するときはソワソワしました。脇でコソコソと着替えて大会に出た記憶が残っています。
ほのか 自分はテレビとかで見るスポーツ選手になった気分でした。ユニフォームを部屋に飾っているんですけど、友達を家に呼んだときに「すごいね」と言われるのがプロ選手になった感じでうれしいですね。
ももち ほのかちゃんはユニフォーム姿の宣材写真を撮影したときに、そのままユニフォームを着て帰ったよね(笑)。
ほのか そうですね。懐かしい(笑)。
ヤマグチ 僕も今では慣れましたけど、育成選手時代のユニフォームはすごく思い入れがあって、いまだに大事にしています。大会のときはユニフォームを着ると「勝負に行くぞ」という気分になれるので、オンラインの大会で服装は映らないけど、ユニフォームを着て出場したりしていましたね。
takera そうそう、着ていないと違和感があるんですよね。私服で大会に出ても気が緩くなっちゃうんですけど、ユニフォームだと気が引き締まるというか。ユニフォームを着たらスイッチが入るといったら少し大げさですけど、ないと嫌だなという感じですね。爪の手入れとかもそうですよね。
チョコブランカ やっぱり爪が伸びているとプレイに影響が出るよね。
ももち 爪が割れたりすると死活問題だね。
takera 大会前に切りますよね?
ももち 自分は大会の5日ぐらい前に切るかな。前日とかに切ると感覚が急に変わっちゃうから、大会に合わせて「何日ぐらい前に切ったらちょうどいい具合に馴染むな」ということをやっている。
takera 僕も同じ感じですね。
ももち パフォーマンスへの影響の面もそうだけど、ルーティン的なところもあるよね。同じように、身だしなみを整えるとすごく気合いが入る。
海外に遠征するときも手入れする道具を持ち込むんですか?
ももち 自分は道具一式を持っていきますね。ホテルに着いたらチョコブランカが洗面台にセットしだすんですよ。
チョコブランカ AUGERの製品は黒を基調にしたデザインなので、並べるだけで気が引き締まる気がするんですよ。
takera 身だしなみ系のグッズで黒基調のデザインはなかなかないですよね。
ももち 一式で揃えられるというのもいいよね。バラバラで買うと統一感がないけど、まとめるとすごく統一感が出る。
チョコブランカ ヤマグチがさっきカチューシャをつけていたけど似合っていたよね。
ヤマグチ 普段使う機会がなかったんですけど、いざ使ってみるといいですね。
チョコブランカ 顔洗うときとか髪がジャマにならない?
ヤマグチ 髪を濡らしたまま洗っちゃいますね(笑)。
ももち 男性はそこらへんおざなりになりがちだよね(笑)。でも、歳を取ってくると肌のハリがなくなってきたなぁ。ヤマグチとかは肌がもちもちだよね。
ヤマグチ 今年で22歳ですからね。
チョコブランカ takeraは29歳だよね。まだまだ肌若いね。
takera 昔より肌のハリがなくなってきたので、ケアは最近しだしましたね。
ももち 29歳はまだまだだよ。35歳から下っていきます(笑)。やっぱり応援される選手になるために身だしなみも重要だと思うから、そこはしっかりしていきたいね。
では最後に、忍ismの今後の展望をお聞かせください。
ももち 引き続き地に足を付けて、愛される、応援されるチームにしていきたいなと思っています。そのためにも、それぞれの部門でしっかりと結果を残してもらいたいなというところですね。
チョコブランカ 『ストリートファイター6』も発売されるので、ヤマグチくんやほのかちゃんみたいに「これから始めますよ」という原石と出会えるといいですね。練習を継続して強くなるのはすごく難しいことだと思います。でもヤマグチくんやほのかちゃんはがんばって成長し続けて結果も出してくれています。またそういった子たちに出会えたらなと。
ももち この二人との出会いは奇跡みたいなものなので、次のハードルが上がっちゃってますね。このレベルにまた出会えるのか、期待も半分、不安も半分という感じですね。
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