良い日も憂鬱な日も遅刻しそうな日だって、かならず洗面台から１日が始まる。顔を洗ったり、歯を磨いたり、鏡に向かって笑顔の練習をしてみたり、気分を上げるための“整える”時間は十人十色だ。今をときめく人たちは、どんな洗面台で、どんな１日の始まりを迎えるのだろう。洗面台を舞台にしたインタビュー企画、第4回目はカラフルなカゴバッグで知られる大阪の人気ショップ〈MEKEARISA〉のオーナー、松尾愛理紗さん。
松尾愛理紗 ファッション誌の編集部員、フリーランスのエディター・ライターを経てシンガポールへ移住。そこで出合ったカゴバッグが原点となり、アジア各国から集めたライフスタイル雑貨を扱う〈MEKEARISA〉をスタート。2021年大阪・枚方に実店舗を、昨年同エリアに系列のカフェ〈YORKIE COFFEE〉をオープン。 https://linktr.ee/mekearisa Instagram ＠me_ke_arisa
カラフルなカゴバッグを中心に、シンガポールとその周辺国で見つけたライフスタイル雑貨を扱う〈MEKEARISA〉の愛理紗さん。大阪・枚方で２軒のショップを経営し、不定期でポップアップ出店のため日本各地を飛び回る多忙な彼女は、夫でありビジネスパートナーでもあるブライアンさんと2人暮らし。
彼女が起床するのは7時半ごろ。目覚めると同時に、スタッフからの連絡やメールをチェックするためスマホに手を伸ばす。「カフェのInstagramのストーリーで毎朝ひと言コメントを発信しているので、まずはその文言を考えます」。ショップオーナーの１日は起きた瞬間から始まっている。
投稿を終えると洗面台で身支度を整える。朝は洗顔石鹸などを使わず水でじゃぶじゃぶ顔を洗い、化粧水と美容液でスキンケア。普段からあまりメイクをしないそうで、日焼け止めのみのノーファンデ派なんだとか。「いろいろ試したけどこれが一番肌の調子が良くて」と朗らかに笑う。
「お洋服に合わせてヘアアレンジするのもいいけど、最近は時間をかけなくてもキマるヘアクリップを重宝しています」。そう話しつつ黒髪のミディアムヘアをサッとまとめる。忙しい彼女の心強い味方なのだ。
洗面台で支度をしたあとはキッチンに向かい、南部鉄器の急須でお湯を沸かす。「起きてすぐに白湯を飲むと、胃腸の働きが良くなってお通じが全然変わってくる。出張先でも欠かせない習慣です。南部鉄器の急須を使うと、まろやかで優しい口当たりになるし、手軽に鉄分が摂取できるんです」。
そしてリビングの窓際に並んだ植物を入念に観察。「一つひとつ土が乾いていないか見ながら水をたっぷりあげています。昨日しおれていた子が翌朝元気になっていたり小さな新芽を発見したり、毎日ちょっとずつ変化するのが愛おしくて。日々の癒やしになっています」と優しく微笑む。
水やりを終えキッチンに立つ愛理紗さん。「朝食はパンよりお米派！ どんなに忙しくても必ず食べるようにしていて、いつも玄米×五穀米のミックス米を鋳物ホーロー鍋で炊いています」。彼女がごはんやおかずを手際よく皿に盛り、彼がそれらを食卓に並べていく。息の合った呼吸は二人三脚で〈MEKEARISA〉を運営する2人だからこそ。
朝食を食べながら、その日のタスクやお店の業務事項を２人で確認。その後は彼が淹れたコーヒーを片手に甘いおやつを楽しむ。「お昼を食べ損ねる日もあるので食後の糖分補給までしっかりと。甘いおやつでモチベーションを上げつつ、1日のエネルギーをチャージしています」。カラフルなカゴバッグに囲まれて、華やかに暮らしているように見える彼女の生活の基盤には、一定のリズムを保って過ごす穏やかな朝があった。
Photography_Masao Inoue
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忙しい朝も、穏やかな夜も、人間らしさを取り戻す。身だしなみを整える時間は、自分と向き合う時間でもあります。自分の心に触れて日常を整えると、普段の何気ない時間が愛おしくなる。AUGERが提供したいのは、暮らしを「整える」心地よい豊かな時間です。
