良い日も憂鬱な日も遅刻しそうな日だって、かならず洗面台から1日が始まる。顔を洗ったり、歯を磨いたり、鏡に向かって笑顔の練習をしてみたり、気分を上げるための“整える”時間は十人十色だ。今をときめく人たちは、どんな洗面台で、どんな1日の始まりを迎えるのだろう。洗面台を舞台にしたインタビュー企画、第5回目は大阪のセレクトショップ〈Chikashitsu +〉でディレクター/バイヤーを務めるGIROさん。
GIRO 1996年、福井県生まれ。大阪・南堀江のセレクトショップ〈Chikashitsu +〉のディレクター/バイヤー。DJやモデル、書道アーティストとしても活動するなど多彩な顔を持つ。 Instagram @giro.tanaka
今回フォーカスしたのは、大阪・北堀江のセレクトショップ〈Chikashitsu +〉の名物スタッフであり、ジェンダーレスな美しさで注目を集めるGIROさん。サラリと伸びた金髪のロングヘアと涼しげな目元が印象的なGIROさんは、アメセパのバスルームが付いた1Kでひとり暮らし。
朝、起床してすぐにキッチンへと向かい、コップ一杯の水を飲む。「単純に水分補給の意味もあるけど、自分の体重20kgにつき1ℓの水を飲むと美容にいいみたいなので、思い立ったら飲むように心がけています。今日もネット通販で買ったミネラルウォーターがたくさん届く予定。うちのマンションは階段で登らないといけないから、運送屋さんは大変だろうなぁ」といたずらっぽく笑う。
軽くシャワーを浴びたのち、洗面台に立ってスキンケアをスタート。「お風呂上がりの肌って30秒以内に保湿しないと乾燥が始まるんです。それを知ってからは、最もスピーディにうるおいを与えられるスプレータイプの化粧水を選ぶようになりました。きれいになるって時間との戦いですよね」。
「昔から低気圧による不調があって、今日はキツそうだなっていう日は、アロマオイルをこめかみに塗るとすっきりするんです。お酒を飲み過ぎた次の日の朝にもおすすめ」。ミントと柑橘を組み合わせた爽やかな香りが、気持ちのいい目覚めをサポートしてくれる。
お次は、私服に着替えてお化粧タイム。Instagramで自身のスタイルを発信することの多いGIROさんは、メイクもじっくり時間をかけて丁寧に。「メイクはその日のファッションや気分に合わせて変えています。今日は全身ブラックにしたので、柔らかさが出るオレンジ系のアイメイクにしようかな」。まつ毛パーマをしたり眉ワックスで形を整えたり、サロンでの定期的なメンテナンスも欠かさないんだとか。
「香り系のアイテムが好きで、ちょこちょこ集めています。お気に入りのフレグランスは、世界の都市からインスピレーションを得て調合されたLe Laboのシティ・エクスクルーシブ・コレクション。なかでも、オランダ・アムステルダムの運河をイメージしたムース ド シェーヌ 30は、エレガントな香りが特徴。これを付けると気持ちにハリが出て、今日もがんばろうと思えます」。
GIROさん宅には鏡がたくさんあり、自然と自分の姿が目に入ってくる。その理由を尋ねると、「ミニマルな洗面台を使っているのもあるし、やっぱり自分磨きのためかな。鏡に姿が映る機会を増やすことで、今の自分と向き合えるようにしているんです。いろいろな角度から見つめることができるので、ふとした瞬間の表情も意識できるようになるんですよ」。モデルなどを引き受けることも多いGIROさんらしい返答だった。
支度を終えた後は、ベッドルームに設置した大きな全身鏡を見ながらリップを塗り直す。部屋中に散りばめられた鏡を使って自分自身と向き合い、その日のコンディションや身だしなみを整えながら気持ちを高める朝。美しさを保つための持続可能な努力、そして自分の好きな自分で過ごすことへのこだわりが詰まった1日のスタートだった。
Photography_Masao Inoue, Text_Yuka Muguruma, Direction_Michika Kuriyama
ABOUT AUGER®
忙しい朝も、穏やかな夜も、人間らしさを取り戻す。身だしなみを整える時間は、自分と向き合う時間でもあります。自分の心に触れて日常を整えると、普段の何気ない時間が愛おしくなる。AUGERが提供したいのは、暮らしを「整える」心地よい豊かな時間です。