私にとっての帽子の原点は、人と人を繋ぐものです。
帽子にはTPOに合わせた着脱のマナーがあります。
マナーは人への配慮や思いやりなので、帽子は人と人を繋ぐという大切な役割があると思います。
言葉以外で人と人とを繋ぐことが出来るものをもっと増やしたいという想いから考案させて頂きました。
今回は、オーストラリアの先住民、アボリジニアートからインスピレーションを受け、デザインしています。
彼らは、人と人との繋がりの表現方法として、言葉以外の、アートを用いてきました。
この作品は、人と人が混じり合い、繋がっていく様子を点描法で表現しています。

私にとっての帽子の原点は祖母が手編みで作ってくれたボンネットハットです。生まれてすぐに使っていたものなので、私が身に着けていた記憶はありませんが、とても繊細に編まれているものだったので母が手元に残していてくれたことで知りました。
大人になった今、祖母のように手で一つ一つ編み愛情を込めた帽子を作り、憧れの祖母に感謝を伝えたいと思いデザインしました。

自然、自然の力、自然の法則、循環。
やがて土に帰りそしてまた巡る、自然と共に生きる。

幼い頃の記憶を辿ると、風が強かった日の事を思い出した。
母の自転車の後ろに乗って公園に向かっている時、私の帽子が飛びそうになった。
その日から、風が強い日が怖くなった。
お気に入りの帽子が風に取られちゃう！と思って必死に帽子を抑えていた気持ちと風の動きをデザインに落とし込んだ。

普段からのインスピレーション源である女性像やMuseからの品格、態度、佇まい、仕草、表情、姿勢から、自分が美しいと思うアングルを切り取り、デザインに落とし込む。

私の祖母は絵本の世界のような祖母でした。
秋頃になると縁側に座り、毎日編み物をしている人でした。
冬が来るまでに私にたくさんものを編んでくれました。
手袋やセーターや帽子を毎年たくさん私にプレゼントしてくれました。
私は成長していくにつれて祖母が作ってくれた編み物の洋服や小物のことを忘れていました。
私のように幼少期の小さな幸せや温かさを忘れている人が沢山いるとおもうので、この作品を通してたくさんの方に編み物の良さを今まで以上に知って頂き小さい頃に感じた祖母の優しさを思い出していただきたいです。

認識というものは実に曖昧なものである。例えば、多少文字が入れ違っていたり、異なっていたりしていても、文章を読めたり、内容を予測することができる。それでは、帽子でも、入れ違っていたり、ズレていたりしても同じように元の帽子を認識、想像できるのではないだろうか。
帽子を分割し、順番を入れ替えたり、ずらしてみたり、さまざまな動かし方をすることで、組み合わせによって色々な見え方が生まれる。

佐賀県の民俗芸能である浮立をデザインソースとし、象徴である天衝には人々の祈りの姿を重ね合わせています。
小さな身体に法被を纏い装飾が施された被り物を身に付けた自分の姿は、幼心ながらまるで人ではない違う何かになれた気がして。
祭り笛の音色と共に境内で舞を奉納する、あの時に体感した異世界を作品を通して表現していきたいと思っています。

綺麗な石を拾い集めたあの頃、
蟻の行進をどこまでも追っていたあの頃、
集めたどんぐりを目一杯帽子に詰め込んだあの頃、
汗だくになった幼稚園の帽子は、記憶に残る限り、私にとっての最初の「探検帽」だった。
人の目なんか気にも止めず、ただ気の向くままにわくわくする方へ足を向け、その先にある「発見」を吸収して、自分の中の世界を広げていた幼い頃の私を、時たま思い出す。
成長していくにつれ、いつしか純粋な「わくわく」よりも理性を優先するようになってしまった今の私には、記憶の中の、どんぐりを詰め込んだ帽子がとても輝いて見えるのだ。
自分の好奇心に忠実だったあの頃の私に立ち返る、そんな帽子を制作する。

この作品は、私の帽子の原点として、幼少期の記憶からインスピレーションを得たものです。
外で遊ぶことが好きだった私の帽子になってくれていた木々が織りなす影、木陰がその原点となっています。
一枚のシートから成型されたシームレスなツバの長い帽子は、自然の中で過ごす時間の中で感じた安らぎと保護を表現しています。
その軽やかな形状は、木々を吹き抜ける風や木の葉の音を思い起こさせます。

"Graduation Steps: A Journey to Success" hat is a symbol of aspiration, growth, and the journey towards success. The inspiration for this hat comes from a deeply personal and meaningful moment in my childhood. In my first childhood photo, my parents placed a graduation hat on my head, embodying their hope for me to become a well-educated and accomplished person as I grew up. This gesture was not just about academic success, but about thriving in every aspect of life.
The unique stair-like element in this hat represents the steps and stages that we must encounter on the path to success. Each step signifies a milestone, a challenge overcome, and a lesson learned.
This hat will be crafted from paper-like material to achieve the classic structure of a graduation cap. To enhance its texture, the material is meticulously cut into lines that form a wave-like shape around the hat. This wave symbolizes the ups and downs experienced throughout life's journey.
The "Graduation Steps: A Journey to Success" hat serves as a reminder of the aspirations instilled in me from a young age and the dedication required to achieve them. It is a tribute to the support and hopes of my parents and a testament to the journey of self-improvement that defines my life. This hat reflects past achievements and guides me towards future successes.

「卒業のステップ、成功への旅」と名づけた帽子は、向上心、成長、成功への旅を象徴しています。この帽子のインスピレーションの源にあるのは、私の子供時代における深く個人的な、意義深い瞬間です。私の子供の頃の最初の写真は、両親が私の頭に卒業帽を載せたところを撮った写真です。ここには、私が教養のある立派な人間に育ってほしいという両親の願いが込められていました。勉強だけでなく、人生のあらゆる面での成功を願って、こうした格好にしたのでした。
この帽子のユニークな階段のような要素は、成功への過程で出会うことになるステップや段階を表現したものです。どのステップも、マイルストーン、克服した課題、学んだ教訓といったものを意味しています。
この帽子は、伝統的な卒業帽の構造を再現するために、紙のような素材で作られています。帽子の周囲を波形のラインに入念にカットすることで、素材の質感を高めています。この波は、人生の旅で経験する浮き沈みを象徴しています。
この「卒業のステップ、成功への旅」という帽子は、子供の頃から吹き込まれた願望と、それを実現するために必要な努力を思い出させてくれます。これは両親の支えと希望への賛辞であり、私の人生を決定づけた研鑽の旅の証です。この帽子は過去の成果を反映し、将来の成功へと導いてくれます。

What is the opposite of darkness, when i look at scary beautiful things, thinking about the boundary between beauty and weirdness, I try to portray the extension of a dream of dark and grotesque beauty with smooth lines that merge with the head, just like the female figure in a horror movie, cunning and charming

暗闇の対極にあるものや、怖いと同時に美しいもの。美しさと不気味さとの境界を想像しながら、私は頭部に溶け込む滑らかなラインを用いて、暗いグロテスクで美しい夢の続きを表現しようとしました。ちょうど、ホラー映画の女性の姿のように、悪賢い魅惑的なイメージです。

A Journey to the Origin of the Hat
The hat, a timeless accessory, traces its origins to an era when humans sought protection from the sun and other elements, and to distinguish themselves from one another. Beyond its utilitarian functions, the hat quickly became a symbol of mystery, elegance, and playfulness.
The "Hide-and-Seek" hat draws inspiration from this playful and enigmatic essence. Its clever design plays with perception and viewing angles, revealing or concealing the face depending on the observer's perspective. Like a sophisticated mask, it invites a game of hide-and-seek, where the wearer alternates between visibility and hiddenness, creating a dance of appearance and disappearance.
This hat celebrates the duality of presence and absence, offering the wearer an aura of mystery and elegance. Just like in a game of hide-and-seek, it evokes the child who hides and reappears, invoking pure joy and insatiable curiosity for the unknown.
"Hide-and-Seek" is not merely a hat; it is an ode to the art of concealment and revelation, a tribute to the playful and mysterious origins of headwear. By wearing this hat, you embrace the elegance of the invisible and the beauty of unveiling, while paying homage to the deep roots of this fascinating accessory.

帽子の起源への旅
帽子というのは、時代を超越したアクセサリーで、その起源は、人類が日差しや風雨から身を守り、またお互いのことを識別しようとした時代にまでさかのぼります。しかし、そうした実用的な機能を超えて、すぐに帽子は神秘性、優雅さ、遊び心の象徴となりました。
「かくれんぼ」という帽子は、こうした遊びに通じる謎めいた本質にインスピレーションを得ています。工夫を凝らしたデザインによって、知覚や見る角度とたわむれながら、観察する人の角度によって顔を見せたり隠したりします。洗練された仮面と同様、かくれんぼの遊びへと誘い、見えたり隠れたりを繰り返しながら、かぶる人は出現と消滅のダンスを踊るかのようです。
この帽子は現前と不在の二面性を称讃し、かぶる人に神秘的で優雅なオーラを与えます。かくれんぼのように、隠れてはまた姿を見せる子供を連想させ、純粋な喜びと未知なるものへの飽くなき好奇心を呼びさまします。
「かくれんぼ」は単なる帽子ではなく、同時に隠蔽と暴露の技法への頌歌でもあり、また遊びに通じる神秘的な帽子の起源へのオマージュともなっています。この帽子をかぶると、帽子という魅力的なアクセサリーの遠い起源に敬意を表しながら、隠れることの優雅さと姿を見せることの美しさを表現することができます。

My first encounter with a hat was when I was told I would be going on a beach walk for Boy Scouts. I was 7 years old at the time, and did not own a hat. I ended up getting a cheap nylon baseball cap for the excursion. On the day of the walk we were told to collect shells. It was so sunny and hot, but my hat gave me a sense of security to embark on this adventure. Which reminds me of the shells being the portable shelters of organisms that live in the Ocean. That is why my design is inspired by my first nylon baseball cap in the style of a shell.

私と帽子との最初の出会いは、ボーイスカウトで海辺に遠足に行くと言われたときのことです。当時私は7歳で、帽子を持っていませんでした。結局、遠足用に安いナイロン製の野球帽を買ったのです。遠足の当日は、貝殻を集めるように言われました。とても日差しが強く、暑かったのですが、帽子のおかげで安心して冒険に乗り出すことができました。そういえば、貝殻というのは、海に生息する生物にとっては移動式のシェルターのようなものですね。ですから、このデザインは、貝殻のようなスタイルで、私の最初のナイロン製の野球帽にヒントを得たものなのです。