塩﨑 真由

release

内気な人が自分の考えや感情など内に秘めたものを出すには人一倍勇気がいる。だからこそ外に出た時のパワーには大きな力がある。

赤木 千梅

undo

ぎゅっと結んだリボンをほどいた時の、リボンの動きの美しさ。
その一瞬の美しさを、縛られた状態から解き放たれた時に感じる、生き生きとした感覚に重ねている。

小林 由紀恵

Draw a line

空間に線の連続の美しさを描きたいという欲求のもとデザインしました。
竹を主素材として用いた作品です。
竹が持つ特性を活かしたヘッドピースとして新たな方向性を模索し、美しいと思える自由な形に落とし込みました。
改めて自分を見つめ直し、好きな表現に注力したい、自己の興味をさらけ出したいという強い気持ちを込めております。

服部 スヴェトラーナ

feeling of shell

貝の気持ちを楽しむ帽子
貝の内側（帽子のインナー部）を完全に見せることも、貝の外側（帽子のアウター、貝殻のイメージ）を完全に見せることもできて、その二つの形態の間の「無限のバリエーション」も　楽しめる"変態"を表現できる帽子です。貝の立場で「自分の内面と外面」のデザインをコンセプトにしました。

河内 美和子

matsuri

古くからある日本文化の美しさと機能美からインスピレーションを得ました。その昔、老若男女、地位も身分も隔てなくその日だけはありのままの自分を解放して踊り楽しんだお祭り。平和への祈りを込めて。

三股 条太郎 / 小林 健太郎

Alienation

本作品では、テーマである"come out of your shell”をもとに、「自己開示とまなざし」を表現した。
タイトルはサルトルの「存在と無」から、Alienation（エイリアネーション）と名付けた。Alienationには「疎外」という訳語が当てられる。

誰もが本当の自分をさらけ出したいと思っている。
誰かに本当の自分をさらけ出したい。認めてもらいたい。
それは学校や、職場や、家や、画面の上だったりする。
誰もがそう思いながら、心を開けずにいる。
誰かのまなざしがあるからだ。
誰かがわたしを見つめるとき、私の世界は誰かのものになる。
わたしが誰かを見つめるとき、わたしは彼が何者であるかを決定する。

まなざしはあらゆる方向から飛んでくる、わたしに向かう矢のようだ。
同じく、わたしのまなざしも他者を遠ざける棘のようだ。
本作品では、「わたしへと向かうもの」「わたしから向かうもの」の2つを表現した。

牛込 圭哉

０(リセット）

かつてシルクの生産が盛んに行われていた群馬県。私は今その技術を伝承している繊維産業、桐生市で働いている。今回は地元で栄えたシルク(繭玉)を用い、兜を製作する。テーマである「COME OUT OF YOUR SHELL」は０からリセットし、伝統を継承しながら新たな価値を創造をする事であると私は思う。現代における兜を再解釈し、軽く・優しく。戦いの中で着こなすのではなく、街を彩り、その人の一瞬を着飾るようなアイテムを提案したい。

松尾 理英

Energy

私は私と出会いながら。
光が照らすものを見つめて、生きていく。

白柳 緋里

escale

日々変質する、人のからだやこころのイメージを作品スケッチにしました。

モチーフとした、スケーリーフット（学名：Chrysomallon squamiferum）は体表に硫化鉄でできた鱗を持っており、そこから「鱗を持つ足」というあだ名が付けられた深海に住む巻貝です。

スケーリーフットの心臓と血管はとても大きく発達しており、体内で共生している細菌はその血液から周りの海水を栄養に変えます。そしてスケーリーフットはその栄養を接種して生きています。

鉄の鱗で覆われながらも、共生して生きながらえる姿を、自分の中で昇華して、形に表現したいです。

山口 空叶夢

OVER DRIVE

インスピレーションが頭の中に詰まっていて、今にも溢れそうな様子が、巨大な繭の中で羽化を待つ虫に似ていると思いました。
この作品における虫は完成したイメージやアイデンティティを抽象化したものであり、イメージソースやマップの材料となる思い出や意見が虫の形になっています。この虫は繭の中に閉じこもっていて、成虫として外界に出る時を伺っています。繭が割れるその瞬間まで誰にも中身は分かりません。

千頭 龍馬

Floating jellyfish

シースルー素材を用いること涼しげな夏の装いを、漂うクラゲに見立て表現。

Tatiana ASHAKOVA

Spider web

The idea of ​​the INSECTORUM collection was born by the designer after moving from the hipster center of Berlin to a green area of ​​the suburbs mainly because of 3 children. Tatiana unexpectedly plunged into the animal and plant world, with which, living in megacities, we practically do not come into contact. Once in the bosom of nature, she began to mentally return to her childhood spent in the Caucasus. She loves to challenge herself and this time, as an artist, she wanted to explore the world of insects in order to apply her observations to millinery creations.
Tatiana is self taught but has learned from top London milliners who have inspired her to create ambitious designs and futuristic shapes. The designer has developed 12 unusual items, embellished with handmade insects, created using Swarovski crystals and other exquisite elements. For each insect, Tatiana chose an original style, shape and material.
The Spider Web headpiece is also Tatiana‘s attempt to overcome her childhoods phobias. Now living in the nature reserve area she has to make “friends” which those, whom she was so afraid of - spiders.
Creating this collection, the designer realized that the contact with nature, which she and her children have been deprived of all these years, is very important. Tatiana wanted to draw society's attention to the life of insects in the context of an ecosystem. The balance in it can be easily disturbed by the simple use of chemicals in the garden and in fields. Having already completed work on the collection, Tatiana realized that insects were in the center of her attention also because all the streets of the area where the family moved to the house where the family settled during the pandemic are named after various buzzing and crawling ones: fireflies, beetles, wasps and ants. And Tatiana's own address is Bee Street.

INSECTORUM（昆虫）コレクションのアイデアは、デザイナーである私タチアナが、主に3人の子供のことを思い、ベルリンの流行中心地から郊外の緑豊かな地域に移住してから生まれたものです。当初全く予想もしませんでしたが、私は、大都会に住んでいるとほぼ接することのなかった、動物と植物の世界に浸っていくことになりました。自然の奥深くに入ることで、コーカサス地方で過ごした少女の頃に、精神的に回帰しはじめました。何事もチャレンジが好きな私は、今回アーティストとして昆虫の世界を探求し、観察したことをハットの創作に応用したいと考えたのです。
私は独学でしたが、ロンドンの一流のハット職人から野心的なデザインや未来的な造形について学び、影響を受けながら創作を進めてきました。私が生み出した12の独創的な作品には、スワロフスキークリスタルなどの精巧な素材を用いたハンドメイドの昆虫が飾られています。どの昆虫にも、斬新なスタイル、シェイプ、素材が選ばれています。
「Spider web（クモの巣）」のヘッドピースは、少女期に抱いていた（クモへの）恐怖を克服しようとする試みでもあります。自然の中に住むようになった私は、あれほど恐れていたクモと「お友達」にならなければならないのです。 このコレクションをつくりながら、私は自分自身や自分の子供たちがずっと奪われてきた「自然とのふれあい」が非常に大切であることに気づきました。そして、生態系という観点から、昆虫の生命に社会の目を向けさせたいと考えました。生態系のバランスは、庭や畑で化学製品を使用するだけで簡単に崩れてしまいます。ほぼ作品を完成させたとき、私は自分の関心の中心を占めているのが昆虫であることを自覚しました。偶然にも、新型コロナウイルス流行時に移り住んだ家の周りのすべての道に、ブンブンと音を立てて飛ぶ虫や、地面をはいまわる虫にちなんだ名前が付けられていたこともその理由の一つです。例えば、ホタル通り、カブトムシ通り、スズメバチ通り、アリ通りなど。私が住んでいるのはハチ通り（Bee Street）です。